ひひひなひび

健康に、ごきげんに。

中途半端病と生きる

とある日のこと。

 

あぁなんだか嫌だなぁという気配がする。ズーンと気持ちが沈むのである。

こ、これは…

あ、来ましたね?中途半端病さん。

 

と私は勝手に心の中で呼ぶのである。

その方はいつもではないが、たまにふらっとやって来るのである。

 

私が勝手に中途半端病と呼ぶのは、なんてことはない、ただの自分の精神状態のこと。

あえて、おもしろおかしく表現しただけのこと、である。

 

時折、やってくるのである、その感情が。

なんて自分は中途半端なのだーーー!!と叫び、頭を抱えたくなるような。

落ち込み、悲しみ、虚しさ…様々な感情が自分を揺さぶって来るのである。

 

結婚し、妻となり、親となり。

私は出産を機に仕事を辞め、家庭に入るが、いろいろ思うことあり、で、また仕事もするように。

 

が、どうしたことか?

どこにも進んでいないような焦燥感に襲われたのである。

妻としてもよくも無いけど悪くも無い、親としてもよくも無いけど悪くも無い、仕事も頑張っているような、いや頑張っていないような…自分自身としても趣味とか何かしているわけでもない…

 

これ、全部が中途半端じゃん…と。

 

これは数年前からであった。初期の頃は何人かの親しい人にも気持ちを正直にぶつけてみたこともあった。

 

ただまわりに言われたのは、まぁみんなそんなもんだと思うよ、ということ。

そしてネットでそれを検索してみると、やはり同じような悩みを持つ方が、私以外にもいる!

が、やはりまぁそんなものですよ、という意見もかなりあるのであった。

 

いやいや、なんかわかるようでわからないんだけど、なんか納得できない!と私は怒りながら思った。

 

が、とある人が、そうやっていろいろ中途半端かもしれないけど、後で点と点が繋がればいいんだよ、という。今は種まきとも言えるんだよ、と。

 

当時の私は、は?え?!くらいの全く腑に落ちない状態だった。

 

しかし時は流れ、私もいろいろな本を読み、様々な人と出会い…

点と点の話は、その方のオリジナルな訳ではなく、Appleスティーブ・ジョブズの言っていたことと重なることを知る。

 

そして、ただ毎日を淡々と粛々と生きる、それだけで十分素晴らしいことだということも徐々に理解し始めるようになる。アドラー心理学の「普通であることの勇気」という言葉を知ったのもこの頃だ。

 

だからきっと私は何かを掴みかけているのだとは思う。けれど、やっぱり自分を中途半端だなぁと思う気持ちが時折胸の中からひょっこり現れる。

 

だからせめて、それを笑いを添えて、温かく迎えてあげようかと思うのである。いつかこんなことも忘れる日が来ることを祈りつつ。